US Patent 6,732,157

ITmedia の記事で、Network Associates、広範なスパム対策技術の特許取得という記事が出ていた。スパム対策のいろいろな方法(ベイズ理論も含む)についての特許、ということのようだ。
記事だけを見てもどういう内容なのかいまいちわからないので、Network Associates のプレスリリースを探してみた。すると、Network Associates Awarded Patent for Combination of Techniques and Practicを発見。だけど、これを読んでも、スパム(unwanted e-mail)をフィルタリングするための技術で、compound filters、paragraph hasing、Bayesian rules を含むけど、それにとどまらないと書かれているだけで、特許の内容は不明。
仕方ないので(?)、特許番号をもとに探してみると、United States Patent: 6,732,157を発見。プレスリリースに書かれていたとおり、"Comprehensive anti-spam system, method, and computer program product for filtering unwanted e-mail messages" とある。これか。
で、内容は……、、、長くて読む気が起こらない(ぉぃ)。とりあえず claim の 1 だけざっと読むと、compound filters、paragraph hasing、Bayes rules を使ってスパムをフィルタリングする機能(あとの 14 と 15 で、それぞれプログラム、システムについても書かれている模様)、ということのようだ。このそれぞれの機能についてすべて使ったもの、ということなのかそれぞれひとつずつでも、というのことなのかわからないが、もしすべてということならば、paragraph hasing のところで、「メールのメッセージのうち最初と最後のパラグラフのうち少なくともひとつを除いてからハッシングする」とあることから、そんなことをしていなければ関係ないのかな、と読める。そうでないとすると、影響は大きい。


そんなわけで、POPFile 本家のフォーラムをチェックしてみたのだけど、特にそれらしいメッセージはなかった。ということで、試しに投稿してみた
すると、Slashdot話題になっていると教えていただいた。なるほど、こちらをチェックすればよかったのか。
しかし、これも読むのが大変。ざっと見たところでは、Paul Graham 氏の論文の方が先では、とか、SpamAssassin の方が先では、というような話(先に使われていた技術っていうのを、prior art と言うのは初めて知った)とか、Thunderbird は大丈夫ですかといった話とか……。他に、こちらこちらのように、適用範囲はかなり狭いのではないか、という話も。POPFile プロジェクトのリーダー、John Graham-Cumming 氏も同じ考えのようだ
こうしてみると、すべてを満たす場合、と考えるのが普通なのかなと思いつつ、特許ってよくわからんなぁという感じ。いずれにしても、ベイズ理論を使ってフィルタリング、という話については特許申請より前からあったということなので、あまり気にしなくてもいいのかなと思ったりもするのだけど。
誰か日本語でわかりやすい解説を書いてくれないかなぁ(汗)。