酒蔵見学〜

amatubu2008-04-12


id:zakai さんに手配していただき、京都伏見の齊藤酒造さんの酒蔵を見学に。
まずは味のある製造部長さんから最初は呉服屋だったという会社の沿革から日本酒の製造工程を教わる。米のでんぷんを麹菌と酵母で分解・発酵させていくという過程を他のお酒と比較しながらわかりやすく教えていただいた。ワインなどの果実酒の場合は元々果汁に含まれている糖をアルコール発酵させるだけでよいが、日本酒の場合はまず米のでんぷんを麹菌で分解して糖へと変えつつ、さらにそれを酵母でアルコール発酵させるという手順になっているのだそうだ。この麹菌も酵母も同じ米を使って育てていくというのだからその手間は相当なものだろう。
中に入る前に靴や頭に袋をつける。よけいな雑菌が入らないようにするためだろう。酒蔵の中は、どちらかというと工場のような雰囲気。いいお酒はやはり手作業できめ細かい目配りをしながら作っていくが、機械化も進んでいる。米を洗う機械、米を蒸す機械、麹菌を育てる機械などなど。機械を使うことによって平均的なものを作ることはできるが、最高のものを作ることはできない。最高のものを作るためには職人さんの経験に基づいた細かな手入れが欠かせない。人間は偉大だ。
仕込み途中のお酒(写真)を少しいただく。酸味があって好みの味だ。どの酵母を使うかによって香りも違うのだそうだ。花粉症で鼻が詰まりかけだったのが残念だったが、確かに果物のようないい香りがした。
酒蔵を出たあとはいくつかのお酒を試飲させていただいた。特徴はどれも違うが、やはりどれもおいしい。京都でだけ作られている祝という酒米を使ったお酒がやはりおすすめかな。このお米、しばらく途絶えてしまっていたものを10数年前に復活させたものだそうだ。磨いたあとのお米のサンプルも見せていただいたが、とてもきれいで感動的。一度に削ると割れてしまうそうで、ここまで磨くのにはかなり時間がかかるのだそうだ。いいものを作るためにはどの工程でも手間をかけることが必要なようだ。
齊藤酒造さんは独立行政法人酒類総合研究所主催の全国新種鑑評会で現在唯一 10 年連続で金賞を受賞されているそうだ。今年の鑑評会は 5月 20日に予定されているということなので、その結果も気になるところだ。