もう 10 年にもなるのか

あの日から今日で 10 年。本当に時間がたつのは早い。
あの日、私は京都にいて、地震のあった時間はまだ起きていた。当時在籍していたサークルのボックスで、友人が作業しているのにつきあって(正確にはじゃまして?)徹夜していた。翌日は朝からドイツ語の試験だった。
当時、私を含め周囲数名は高いところに凝っていて(○○と煙は……というやつだ)、その日も某所にのぼるつもりでいた。が、その日私は非常に眠たくて、結局またの機会に、ということにした。そして、地震が起こった。もしあの日眠たくなかったら、いまごろどうなっていたのだろう。
揺れたときに最初に心配したのは、ちょうどデータ保存中だったハードディスクだった。その後、背後の棚から何かが落ちてきたのだったと思う。ただ事ではないと感じ、ラジオをつけてみると、京都は震度 5 とのことだった。その時点では、他の地域も含め、いちばん高い震度だった。部屋の中での被害は、棚の上から何かが落ちてきたことと、据わりの悪いグラスが倒れたくらいだった。ラジオでは、当初、どこかで揺れで気分が悪くなった人がいるというような程度の報道だった。
明るくなるにつれて、だんだんと状況が明らかになってきた。当初震度の発表がなかった神戸ですごい被害になっているという。私は上に書いたようにドイツ語の試験があったため、教室に向かい、試験を受けた(確か、このとき、地震の影響で遅れる人がいるかもしれないということで開始時間が繰り下げになったのだった)。そして、戻ってきてラジオを聞いていると、聞くたびに死者・行方不明者の数が増えていく。最初にラジオをつけたときとのギャップが激しく、一体なにが起こっているのだという感じだった。
映像を見たのがいつになってからだったかはよく覚えていない。当時、ボックスにテレビはなかったし、住んでいた寮で見た覚えもない。とにかく、信じられない光景だったということだけは覚えている。