Battle for Wesnoth の日本語化

このところしばらく、Battle for Wesnoth の日本語化におわれて更新が滞ってしまった。実際には日本語対応というよりも、CVS からひいてきたソースをビルドするところとか、独自に作った翻訳ファイルをコンパイルするところとかで時間をとられていたわけだけど。
なんとかソースからビルドすることができ、翻訳ファイルを作ることができるようになったので、日本語翻訳のサイトにて、独自にビルドしたバイナリを公開させてもらうこととなった。また、最初のシナリオである、Hier to the Throne の翻訳を開始。
翻訳自体は、POPFile のドキュメントの翻訳プロジェクトで活動しているという経験はあるものの、会話を基調とした物語の翻訳は初めて。どうとでもとれるようなところがあれば、話の流れを考えて訳語を決めなければならないし、文体や口調をどうするかといった課題もある。これらはマニュアルの翻訳とは違った難しさだ。技術文書の場合は、細かい部分の解釈は違っても全体としての意味が正しければたいてい大丈夫だし、解釈が正しいかどうかは実際に試してみることで検証することができるけれど、物語ではそうはいかない。また、人名や地名などの固有名詞をどう扱うかとか、ユニット名としてあらわれる言葉をどう訳すかという部分についても、統一したルールを決めておかないとおかしなことになってしまう。
しかし、そういった難しさを差し引いても、この翻訳作業はまた新たな意味でおもしろい。シナリオの意味を自分で解釈して、それを日本語で表現する。そうすると、直訳ではなく、意訳することが多くなる。なんというか、物語を自分の言葉で書き直しているような気分とでもいうのだろうか。
そんな感じで日本語化の作業が進められている。まだまだ始まったばかりだけれど、着実に進めていきたい。